12.つくる責任、つかう責任

「スーパーでJASマークを見つけたよ!」 マークあてゲームで環境保全への意識を高める

環境ラベル、リサイクル識別表示マーク、サステナブルラベルなど、様々なマークが消費財や包装、説明書、広告につけられています。消費者に対して、環境を配慮した分別を促すためや、企業活動を正当に評価し、購買につなげようという狙いで環境省が設定しています。ここでは、子どもにわかりやすいように、「かんきょうマーク」と呼びます。このマーク日常生活でたくさん見かける機会はあるのですが、その内容についてなかなか知られていないのがさみしいところ。今回紹介する取り組みは、日本でも代表的な環境マークをゲーム感覚で、知っていくもの。マークの形を覚え、意味を認識するとともに、マークがどのような商品についているのかを知ります。日々の生活の中から、環境に対する意識を高める取り組みです。

ちなみに、こんなかんきょうマークを見たことはありませんか?

有機JASマークと呼ばれるマークです。これは、有機栽培された農産物など、有機 JAS 規格を満たす食品・飼料につけられます。有機食品・飼料は環境への負荷をできる限りへらした農業からうまれます。


牛乳パック再利用マークです。これは、牛乳パックをリサイクルして作られた商品についています。環境に配慮した製品であることを表す「エコラベル」の一つです。 現在、パックマークがついている商品はトイレットペーパー、ティッシュペーパーのほか、フラットファイルなどの文房具や綿棒、さらには食品トレー、紙コップ、紙皿などがあります。


これは、一般的なので見かけた人も多いのではないでしょうか。プラマークです。左は、容器包装リサイクル法が制定するプラスチック製容器包装の製造および利用事業者に表示を義務付けている容器包装材質識別のプラマークです。材質によりマークの横にPPやPSなどが追記されることもあります。同じプラスチックでもペットボトルには右のようなPETマークがあります。

【聞いてきたところ】
湘南学園小学校アフタースクール 藤原潤子さん
プロフィール

【概要】

小学生全学年を対象として実施されるこのゲーム。そんなに広くないスペースで、取り組める。日本に数あるかんきょうマークでも、最も目にしやすいもの20個程度をとりあげる。

対象:小学1~6年生人数:35人程度
場所:アフタースクールのプレイルーム、教室など机があればOK
時間:1時間(温暖化に関する紙芝居やクイズ含む、ゲームとワークシートのみは25分程度)

【目指すSDGs目標】
12. つくる責任 つかう責任 

「買い物は、未来への投票。」と言われます。
熱帯雨林を伐採することなく作られたもの、有機農業で作られたもの、リサイクルするべく分別のためにつけられたマーク。日々手に取るもののパッケージを見ると、様々なマークがついていることに気づきます。そしてそのマークの意味を知ることで、その製品がどのようなものなのか、理解することができます。理解した上で購入すること。それは、SDGsの目標12番の「つかう責任」に資するのではと考えました。

【背景(なぜこれをやることになったのか?)】
「遊び感覚で環境への意識を高めたかった」

一般社団法人地球温暖化防止全国ネットさんhttps://www.zenkoku-net.org/の、カラフルで漢字にはふりがなのある「かんきょうマークずかん」を見つけたときに、これなら低学年もできるかも…と思いました。でも、マークの意味は大人でも結構難しいです。間伐材って…と思わず、理解するのに調べてしまうくらいで。子どもたちがわかる言葉にするのは、また更にワンステップ必要だなあと思いました。スタッフとの話し合いの末、たどりついたのが子どもたちが好きなゲーム。マークの名前も覚えなくていい、意味も覚えなくていい。でもまずは、マークを見たことがあるものにし、日々の中で理解を深めていけばいい。かんきょうマーク理解の第一歩をゲームを通してやろうということに。


子どもたちは、何かを見つけたり、覚えたりするのがとっても得意です。
一度一生懸命探したら、日常生活の中でもきっと目に留まると思いました。

そして実際に子どもたちは、私たちの想像以上に、このゲームを行った後も日常の中で見つけては教えてくれ、おうちでも、スーパーでも見つけては家族にも話していました。時には切り取って持ってきてくれることもありました。 

【具体的な内容】
かんきょうマークずかんのマーク部分を切り取ったシートと、切り取られたマークだけのセットを渡して、チーム(3~5人)で協力してすべてのマークとその説明が書かれたシートの内容が合うように当てていく。マークをよく見て、説明をよく見て考えないといけないゲーム。チーム内の協力もとっても大事。自分が持っているマークが他の人が探しているシートのものかもしれないからだ。

 

見開きページごとにマークを合わせてマスキングテープで仮止めし、スタッフに見せ、正解をチェックしてもらう。間違っていたら、見つかるまで探す。パズルのような絵合わせゲーム。全部の説明とマークが最も早く合致したグループが1位。順位を競う。順位を競うがそこには何かプレゼントとかがあるわけではなく、競争してもりあがるだけ。早く完成したチームは、最後にワークシートを記入し、さっき絵合わせをしたマークはその後普段どれをどうしたらいいのか、グループでわいわい話しながら書いて発表する。

最後にワークシートで
「●●をするときは▲▲がついたものをえらぶと■■にやさしい。」
1年生もみんな書ききっていて、全員が発表したがるほど。時間の都合もあり数人だけ発表してもらったが、全員の宣言が聞きたいほどだった。

取り組みの様子はコチラ

【成果(こどもがどうかわった?)】
「スーパーでJASマークを見つけたよ!」

アフタースクールに来るや否や子どもたちが
「ねえ!教科書についてたの、このマーク!見て!」
「どこどこで見たよ~!何々に貼ってあった!」
と話しかけてきます。

スタッフが「このマーク、まだ見たことないよね~。見たら教えて!」と声をかけると探しているようで、しばらくたってから、「あそこで見た!」と教えてくれることもあります。

見た目やどこに貼ってあるかを見つけられるようになった後には、
「これってこういう意味なんだよ~。」と意味を伝えます。
そうすると子どもたちはすぐに理解し、他の人にも説明できるようになっていきます。
意味を覚えられなくても、「このマークがついていると地球にやさしいから、こっちのほうがいいよ」と話していたりします。

「このマーク(エコレールマーク)がついてるのはねえ、環境に優しい運び方をしてるってことなんだよ!(えっへん)」と友達に説明をしている姿も目にしました。

保護者の方がお迎えにいらした際に、お話いただいたこともありました。
「こっちのマーク(有機JASマーク)がついている方を買えって…苦笑。ちょっと高かったんですけどね。どうしてもこっちだ、というもんだから買いました。大人が子どもに教えられてますね~。」

実施して半年以上たっても、おやつの時間でおやつのパッケージにマークを見つけては教えてくれ、お休みの日に外でバスの中にみつけては、翌日教えてくれます。子どもの持続力には感心します。1人の子とマークの話をしていると、決まって何人かが集まってきて、そうやって輪が広がり、続いていくのだと感じます。世界は一気には変われないけれど、日々の1人1人の消費から変えることは出来そうです。

【工夫やこだわり】
「問題の難易度をたくさん設けて挑戦意欲を高めました」

学年混合で3~5人のグループにし、誰か1人だけがやってしまうことがないように、問題を多くしました。問題用紙が1人1枚以上はある状態でした。難しいだろうな、終わるかな、とやってみるまでは不安もありましたが、さすが子どもたち、準備をしていた私たちが驚くほど、とっても早く全員で夢中になって取り組み、あっという間に終わりました。
沢山のマークと説明文をみながら、全員が話し合いながら探していました。

【どうしてもこれはいいたい!(取材対象者が)】
「タイムリーに意味を伝える」

ゲームが盛り上がるのは大事なのですが、もっと大事なのはゲームをした後も話題にすること。その後、話題にした子とそのタイミングでしっかり対話をすること。マークというわかりやすいものを通して、意識を続けていくことが大人も子どももできるといいですね。
忘れていかないように、気軽に普段から会話できるように、子どもたちが書いてくれた「かんきょうマーク」はラミネートし、アフタースクールの部屋に掲示されています。

【注目ポイント】
「一気に全部伝えようとしない、ステップを踏む」

ゲームで完結しないように、知る、見つける、理解する。の3ステップで設定。今回のゲームでは見つけるに特化した取り組みになっています。ついつい、活動を考える際は欲張ってしまいがち。でも、子どもに伝えるためにはシンプルにする必要があります。この点が〇。

  • 国で探す

  • 対象で探す

  • SDGs 目標別で探す

  • キーワードで探す